FX取引において発生した利益(収入)は、個人の場合、「所得税」のうちの「雑所得」として『総合課税』の対象となります。この利益の額が一定額を超えるような場合、「確定申告」および「納税」が必要となります。
なお、扶養控除や配偶者控除の対象となっていた方がその要件とされていた所得金額を超える所得を得た場合、その方の確定申告が必要となるだけでなく、扶養をしていた配偶者の所得計算において扶養控除や配偶者控除の適用ができなくなることに注意が必要です。
「FXや株で儲けたい」というのも人間心理ですが、取引そのものが損失発生というリスクを含んでいることはもちろん、利益も度を超せば、取引以外のところで予期せぬことが起きることもあります。
しっかりと1年間の「目標利益」を決めて取り組みたいものです。もちろん、生活に支障を来たさない範囲での「損失の限度」もです。
所得税や確定申告のことにつきましては、国税庁のホームページに詳細が掲載されています。また、より具体的な「確定申告書等作成コーナー」「確定申告書の記載例」なども同ホームページにありますので、ぜひご覧ください。
また、国税電子申告・納税システム(e-Tax:イータックス)を利用すれば、自宅などのパソコンからインターネットで確定申告ができ、ATMやインターネット・バンキングなどを利用して納税することもできますので、こちらもぜひご覧ください。
※この「FX税金ガイド」ならびにこれに付随する「Q&A」は、税務専門家の見解に基づいて作成しておりますが、場合によりましては見解が異なるケースも想定されます。
申告・納税の詳細・不明な点等につきましては、各国税局の『税務相談室』やお近くの税務署などにお問合せください。
※『オクトFX』は非取引所取引です。取引所取引とは所得税の課税方法が異なりますのでご注意ください。取引所取引の場合は申告分離課税制度が採用される一方、手数料に消費税が加算されます。どちらがお客様にとって有利であるかは、お客様の所得の内容等にもより一概には申せません。
※本ページに付随する「Q&A」は非取引所取引を前提として作成しております。
そもそも確定申告ってどういうものですか?
A
所得税の確定申告は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得た全ての収入から必要経費を差し引いて「課税の対象となる所得」とそれに対する所得税の額を計算し、翌年2月16日から3月15日までの間に確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する手続きです。
給与から所得税が源泉徴収される会社員や公務員などの給与所得者の方は、勤務先で年末調整によって最終的な税額が計算されるため、ほかに所得がなければ一般的には確定申告の必要はありません。
所得税が計算されるフローを教えてください。
A
所得が1種類のみで納める税金が発生する場合の計算フローは、次のようになります。
| (1) | 「収入金額(いわゆる税込み年収)」から「収入から差し引かれる金額(必要経費や給与所得控除など)」を差し引いて、「所得金額(事業所得や給与所得など)」を求めます。 |
| (2) | 「所得金額」から「所得から差し引かれる金額(=所得控除額)」を差し引いて、「課税される所得金額」を求めます。 |
| (3) | 「課税される所得金額」に所得税率を乗じて、「所得税額」を求めます。 |
| (4) | 「所得税額」から「税金から差し引かれる金額(=税額控除額)」を差し引いた金額が、「申告納税額」となります。 |
給与所得者で確定申告が必要な場合について教えてください。
A
次のような項目に該当する場合には確定申告の必要があります。
| ・ | 給与の収入金額が2000万円を超える方 |
| ・ | 給与を1ヶ所から受けていて、給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える方 |
| ・ | 給与を2ヶ所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と給与所得や退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える方 |
| ・ | 同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与の他に貸付金の利子や店舗などの賃貸料などの支払いを受けた方 |
| ・ | 災害減免法により、源泉徴収税額の徴収猶予や還付を受けた方などです。 |
| ※ | 上記20万円は、給与所得者に対する特例措置であり、“非課税枠”という意味ではありません。20万円を超えた場合、その全額(25万円なら25万円全額)に対して課税されることにご留意ください。 |
雑所得ってどういうものですか?
A
「雑所得(ざつしょとく)」とは、所得税における課税所得の区分の一つで、「利子所得」「配当所得」「不動産所得」「事業所得」「給与所得」「退職所得」「山林所得」「譲渡所得」「一時所得」のいずれにも該当しない所得をいいます(所得税法第35条)。
具体的には、年金や恩給などの公的年金、著述のプロではない人が受け取る原稿料や印税、外貨預金で発生した為替差益などが該当しますが、FX取引における利益もこの「雑所得」に該当します。
FXにおける利益とは何ですか?
A
お取引の結果確定した売買差損益とスワップ金利損益の合計額で、手数料などは“必要経費”として差し引くことができます。
差し引くことのできる必要経費にはどのようなものがありますか?
A
必要経費の最たるものは取引にかかった手数料です。ほかに資料として購入した書籍や通信費なども考えられますが、現実的にはむずかしいようです。何れの場合も、FX取引において収入を得るために直接的に支出した経費であることを証明する書類等は、確定申告時(後)の税務署からの求めに対応できるよう大切に保管しておいてください。
FXで損失が発生した場合は給与所得から差し引いて考えていいのですか?
A
給与所得から差し引くこと(「損益通算」といいます)はできません。
株取引や商品先物取引の損益と相殺できないのですか?
A
あいにく相殺できません。FX取引における利益は総合課税の「雑所得」にあたり、株取引で発生した利益は「譲渡所得」にあたり所得の区分が異なりますので相殺することはできません。また、商品先物取引で生じた利益は「雑所得」ではありますが、同取引においては申告分離課税制度が採られており、やはり相殺することはできません。
私は3社でFXを取引していますが、この損益は合算できるのですか?
A
3社とも非取引所取引であれば逆に合算しなければなりません。また、同じ「雑所得」に類する公的年金などもすべて合算します。その上で、給与所得者(パート収入も、通常、給与所得となります)の方の場合は、年間(1月1日〜12月末日)の「雑所得」と「給与所得以外の所得」の合計額が20万円を超える場合は確定申告を要することとなります。
私は給与所得者で年収約600万円ですが、年末調整は会社がやってくれるので、自分で納税額を計算することはあまり意識したことがありません。概要を教えてください。
A
では、平成19年分として、大まかな計算にトライしてみましょう。「税込み年収」から必要経費とみなされる「給与所得控除額」を差し引いて「給与所得の金額」を求めるところから始めます。
| 税込み年収 | 給与所得控除額 |
|---|---|
| 1,625,000円まで | 650,000円 |
| 1,625,001円から1,800,000円まで | 年収×0.4 |
| 1,800,001円から3,600,000円まで | 年収×0.3+180,000円 |
| 3,600,001円から6,600,000円まで | 年収×0.2+540,000円 |
| 6,600,001円から10,000,000円まで | 年収×0.1+1,200,000円 |
| 10,000,001円以上 | 年収×0.05+1,700,000円 |
上表に照らして「給与所得控除額」を計算すると、600万円×0.2+54万円=174万円。したがって、「給与所得の金額」は600万円−174万円=426万円(A)になります。
次に、社会保険料控除や配偶者控除、基礎控除など「所得控除額」の合計が仮に222万円(B)とします。
すると、「課税所得金額」は(A)−(B)=204万円ということになります。
◇平成19年分所得税の税額表
| 課税所得金額 | 税率 | 控除額 | 住民税 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000円から1,949,000円まで | 5% | 0円 | 10% | 15% |
| 1,950,000円から3,299,000円まで | 10% | 97,500円 | 20% | |
| 3,300,000円から6,949,000円まで | 20% | 427,500円 | 30% | |
| 6,950,000円から8,999,000円まで | 23% | 636,000円 | 33% | |
| 9,000,000円から17,999,000円まで | 33% | 1,536,000円 | 43% | |
| 18,000,000円以上 | 40% | 2,796,000円 | 50% |
上表に照らして「所得税額」を計算すると、204万円×0.1−9.75万円=10.65万円。
これに「住民税」204万円×0.1=20.4万円を加算すると、合計で31.05万円が次年度の納税額となります。
※実際の税金計算では、所得税と住民税の所得控除が異なるため、あくまで概算の納税額となります。
平成19年分所得税の税額表をご覧になっておわかりのとおり、所得が多くなればなるほど所得税率も上がります(累進課税)。
仮にFX取引での利益が200万円(必要経費控除後)だったとすると、「課税所得金額」が204万円+200万円=404万円となり、所得税率が1段階上がることがおわかりですね。
私は専業主婦ですが、税金の面で気をつけることはありますか?
A
専業主婦(主夫)や個人トレーダーの方で、FX取引を行い、1月1日から12月31日までの1年間で38万円(所得税計算上の基礎控除額)以上の利益があった方は確定申告が必要です。
ただし、“想定を超える利益が出た”場合は、他方配偶者との扶養の関係において、配偶者の所得計算において配偶者控除の適用ができなくなることもあります。「私は主婦ですが、パート収入があります。FXで利益を得た場合、どうなりますか?」および「配偶者にパート収入がある場合の、税金や社会保険との関係について教えてください。」もあわせてご覧ください。
私は主婦ですが、パート収入があります。FXで利益を得た場合、どうなりますか?
A
まず、「所得」なるものは法令で10種類に分類されており、このうち、パート収入は「給与所得」に該当し、FXでの利益は「雑所得」に該当する、すなわち異なる性質の「所得」であることを理解することから始めましょう。したがって、計算期間(1月1日から12月31日までの1年間)において単純に合算すればいい、という性質のものではありません。下図を用いて、類型に分けて話しを進めます。

【パターン1】
いわゆる「年収」から「給与所得控除(65万円)」と「基礎控除(38万円)」を差し引いた残額が課税の対象となります。したがって、パート収入が65万円+38万円=103万円以下であり、FXでの純利益が20万円を超えず、他に所得がない場合、確定申告・納税の必要はありません。
【パターン2】
パート収入が給与所得控除枠である65万円以下であれば、FXでの純利益が20万円を超えた場合でも、基礎控除枠である38万円以下であれば、確定申告・納税の必要はありません。これは、結果として専業主婦の方と同じになります(給与所得控除は、パート収入(給与)についてのみ適用されます)。
【パターン3】
パート収入が90万円であった場合、まず、給与所得控除65万円を差し引くと、この控除枠を25万円オーバーします。次に、FXでの純利益が30万円とした場合、先のオーバー分25万円と合わせると所得合計は55万円となります。そして、この55万円から基礎控除枠38万円を差し引いた額、すなわち、17 万円が「所得」として確定申告・納税の対象となります(FXの純利益が20万円を超えなければ、確定申告・納税の必要はありません。)。
パターン1〜2に該当しない場合は、確定申告・納税の必要があります。
※「雑所得20万円まで申告不要」の20万円は、給与所得者に対する特例措置であり、“非課税枠”という意味ではありません。20万円を超えた場合、その全額(25万円なら25万円全額)に対して課税されることにご留意ください。
配偶者にパート収入がある場合の、税金や社会保険との関係について教えてください。
A
下表に、配偶者の収入(パート収入のみの場合)と税金等に関し、簡単にまとめてみましたので、参考にしてみてください。
◇配偶者の給与収入(パート収入のみの場合)と税金・社会保険
| 100万円以下 | 100万円超〜103万円未満 | 103万円 | 103万円超〜130万円未満 | 130万円以上141万円未満 | 141万円以上 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 夫 | 配偶者控除 | ○ | ○ | ○ | - | - | - |
| 配偶者特別控除 | - | - | - | ○ | ○ | - | |
| 配 偶 者 |
所得税 | かからない | かからない | かからない | かかる | かかる | かかる |
| 住民税 | かからない | かかる | かかる | かかる | かかる | かかる | |
| 健康保険料 | 負担しない | 負担しない | 負担しない | 負担しない | 負担する | 負担する | |
| 国民年金 | 負担しない | 負担しない | 負担しない | 負担しない | 負担する | 負担する | |
※配偶者特別控除は、配偶者の収入が上がるにつれて控除額が段階的に下がります。
※配偶者特別控除は、夫(または妻)の合計所得が1,000万円(給与の収入金額が約1,231万円)を超える年は配偶者の収入にかかわらず受けることができません。
※配偶者(60才未満)の収入が130万円以上になると、原則として夫(または妻)の扶養から離れ、自身で社会保険料等を支払うこととなります。
確定申告用に証明書か何か発行してくれるのですか?
A
『オクトFX』のお取引画面上(アプリ版『注文・照会』→『取引レポート』、Web版『レポート』)にて年間損益報告書が出力いただけます(計算期間終了毎)ので、こちらをご利用ください。なお、印刷環境のない場合など、郵送による年間損益報告書の発行も承っておりますのでご希望のお客様は弊社カスタマーデスクまでご連絡ください。
申告書の書き方のサンプルはありますか?
A
国税庁のホームページに「確定申告書等作成コーナー」「確定申告書の記載例」などがあり、わかりやすく解説されています。ぜひご覧ください。
インターネットを利用して確定申告や納税をすることができますか?
A
国税電子申告・納税システム(e-Tax:イータックス)を利用すれば可能です。詳しくは、e-Taxホームページをご覧ください。そちらに、利用開始の手続き、利用時間、パソコンの環境、e-Taxソフトの操作方法、よくある質問(Q&A)など、e-Taxに関する最新情報が掲載されています。
申告しなければどうなるのですか?
A
申告を必要とする所得がない場合には何ら問題はありません。
問題となるのは申告を必要とする所得があるのに、知らなかったり、忘れていた、ひどい場合には故意に申告しなかったり(脱税)するケースです。個々のケースは様々でしょうが、税務署の調査等が行われて事実が露見した場合、一般の刑事犯と同様に取り扱われる可能性もあり、無申告加算税(国税通則法第66条)や重加算税(国税通則法第68条)などの追徴を受けてしまうことになりかねません。
FXで利益を得たら、しっかり確定申告・納税されることをお奨めします。
確定申告の必要がない場合、取引明細書などは処分してもかまいませんか?
A
5年間は保管してください。例えば、2006年1月1日〜12月末日の1年間において、A社で50万円、B社で15万円それぞれ利益、C社で40万円の損失だったとすると、都合15万円の利益が生じたことになりますが、20万円以下ですので確定申告は不要です。
しかし後年になって何かの拍子で税務署の調査が入り、2006年のA社とのFX取引で50万円の利益が生じたことだけが判明したとします。その場合、お客様は確定申告しなかった理由を証明しなければなりません。
したがいまして、5年間はお取引されたFX業者すべての取引証明書類を保管されておくことをお奨めします。
なお、三京証券では過去分の年間損益報告書の発行も承っておりますのでご希望のお客様は弊社カスタマーデスクまでご連絡ください。